長沼伸一郎著
講談社
定価:本体2,400円(税別)
経営者お勧め度:⭐️⭐️
目鱗度:⭐️⭐️⭐️
コスパ度;⭐️
理系学者によって書かれた経済書。痛快の一言です。活字中毒者の私の書籍遍歴の中で、ここ数年の中でベスト10に入るといって良い傑作本でした。ケインズ経済学から仮想通貨まで、この本で今までモヤモヤしていた身の回りの経済の多くのことが、あたかも霧に包まれた山頂で、周りの霧が晴れるがごとく、目の前の視界がパッと開けた感じです。中でも第5章の「ケインズ経済学は何だったのか」は、英国でケインズの学説が日の目を見るに至ったいきさつから、1980年代のハイエクやフリードマンに代表される新自由主義への変遷、マルクス経済学がメジャーになれなかった理由まで、理系出身(中退ですが)の私としては、これほどわかりやすい本はなかったと言えます。