両利きの経営 「二兎を追う戦略が未来を切り拓く」

チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン著

東洋経済新報社

定価(本体2,400円+税)

経営者お勧め度:⭐️⭐️⭐️

目鱗度:⭐️⭐️

コスパ度:⭐️

企業は、これまでの成功事業と、将来のための新規事業を併存させなければ、長期間の企業の存続はないという2020年度のビジネス書大賞の特別賞(ビジネスリーダー部門)受賞作です。コダック社と富士フイルム社との対比や、ルイス・ガースナーによりハードウエア業からソリューション(問題解決)業へと変貌を遂げたIBMなど、数多くの事例で説明されています。歴史を紐解いてみても、100年を超える企業が少ないのは、その企業の成功事業部門が、未来を築くべき新規事業部門を潰すケースが多く、それ故、次の時代適合したチャレンジャーにそのポジションを譲っていることは間違いありません。中小企業の場合は、事業を長く存続するためには、一人の経営者の中に二つの座標軸が必要だということです。一般的に大企業に比べて経営資源の乏しい中小企業と言われますが、経営者単独でこの両利きの経営を行うことは、その経営者の資質によれば、大企業より容易かも知れません。個人的には「君子は豹変できる」中小企業が生き残るという大きなヒントを得ました。

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