井上智洋著
講談社選書メチエ
定価:本体1,350円(税別)
経営者お勧め度:⭐️⭐️⭐️
目鱗度:⭐️⭐️
コスパ度:⭐️
「貨幣を自国で印刷できる国は、財政破綻することはない。」新型コロナ対策で国の大規模な財政出動がなされる中、今一度MMT理論(Modern Monetary Theory)を説明した当書を読み返してみました。これまでの経済学の主流派から異端児扱いされるMMT派。冒頭のセンテンスだけが印象に残っていましたが、実はMMT派の主張は次の3つの要素で構成されていることが確認できました。1)財政的な予算制約はない。2)金融政策は有効でない。3)雇用保障プラグラムを導入すべし。「金融政策は有効でない。」と言われれば、世界中のケインズの流れを汲む経済学者は猛反発するのは必然です。賛否両論のMMT理論ですが、その成否は今後の歴史が証明するしかないのでしょうか。